英文契約書の基本的用語/表現 ? best efforts
effortsという用語は定義が難しく、極めてあいまいな言葉であるにもかかわらず、多くの契約書でこの言葉が使用されています。
なかでも、精神的な努力目標に近い感覚でbest efforts(最善の努力)という文言が使用されている例をよく見かけますが、この言葉は国によっては極めて厳しく解釈される可能性があるようなので、注意が必要です。
米国の有名な法律専門辞書であるBlack’s Law Dictionary も、best efforts(最善の努力)はgood-faith efforts(誠実な努力)より義務の度合いが強いと記載しています。
実際にはbest effortsもそれほどの義務を課せられないとする判例もあるようですが、専門家はbest effortsを使用した場合のリスクを避けるために、reasonable efforts(合理的努力)やcommercially reasonable efforts(商業的に合理的な努力)という文言の使用を推奨しています。commercially reasonable effortsは商業的に成り立たない努力までは必要ないとされ、義務の程度はreasonable effortsよりもさらに弱くなります。