英文契約書翻訳のポイント141
契約書の英訳 - 訳出のポイント
実務文書である契約書に記載される事柄には、どの国の言葉でも一般に確立された慣用表現があります。契約書を翻訳する際は、単語レベルで意味の対応を考えるのではなく、契約書に表現された内容に該当する実務表現をフレーズ・レベル、センテンス・レベルで数多く身に付けることが、翻訳のポイントです。
たとえば、「期限の利益の喪失」、「金銭消費貸借契約」、「対抗力の具備」は、文字通り訳せば、それぞれ “loss of the benefit of time”, “contract of cash loan for consumption”, “creation of countervailing power” などとなりますが、これらの直訳表現が実際の契約書に使用される例はまれです。以下は、上記日本語の表現に相当する慣用表現の訳例です。
(例文1)
借主は、本債務のすべてについて期限の利益を喪失し、直ちに弁済の義務を負う。
(訳例)
All Obligations of the Borrower hereunder shall be accelerated and become immediately due and payable.
(例文2)
貸付人と借入人の間の20__年__月__日付金銭消費貸借契約
(訳例)
the Loan Agreement dated ________, 20__ between Lender and Borrower
(例文3)
担保権の対抗力を具備するための必要書類
(訳例)
documents necessary to perfect the security interest