英文契約書翻訳のポイント42
英文契約書の基本的用語/表現 - Governing Law, Conflict of Laws 2
This Agreement shall be governed by the laws of the State of New York, without giving effect to its conflict of laws provisions.
(本契約はニューヨーク州法を準拠法とするが、同州法が定める抵触法の規定は適用を除外する。)
上記は、英文契約書における代表的な準拠法に関する条文です。
ニューヨーク州法を準拠法にするが、抵触法の規定は適用しない、とは、どういうことでしょうか。
conflict of laws(法の抵触、抵触法)は、国際間にまたがる契約関係の準拠法を指定するための法律で、国際私法(international private law)ともいわれ、基本的に、各国の国内法によって定められます。各国の国際私法が不統一であるために、たとえば、A国の法律を準拠法にすると、A国の法律の中の抵触法がB国の法律を準拠法に指定し、一方、B国の法律を準拠法にすると同国の抵触法がA国の法律またはC国の法律を準拠法に指定するといった問題が生じる可能性があり、そうした問題を排除するために、準拠法の条文に抵触法の適用を除外する旨の文言を挿入されるわけです。