英文契約書翻訳のポイント38
英文契約書の基本的用語/表現 - 日本独自の用語の英訳
甲は、乙が破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始若しくは特別清算手続開始の申立てを受け、又は自ら申し立てたときは、直ちに本契約を解除することができる。
上記は、契約の解除事由を記載した日本語の条文の例です。英訳は以下のとおりです。
ABC may terminate this Agreement immediately if a petition is filed by or against XYZ for the institution of proceedings for bankruptcy, civil rehabilitation (minji saisei), corporate reorganization (kaisha kosei), or special liquidation (tokubetu seisan).
日本の法律上の概念と英米法上の概念とは必ずしも内容が一致しないので、民事再生、会社更生、特別清算のように、日本独自の用語や、日英間で互いの訳語が定着していない日本語の用語を英訳する場合は、近似した訳語を記載し、その後ろにカッコ書きで日本語そのものをイタリック体のローマ字で記載することによって、日本語独自の概念に基づく用語であることを示します。ちなみに、破産原因の一つである「支払停止」(債務者が支払い不能に陥ったことを自ら表示する行為)は、”admission of inability to pay debts (shiharai teishi)” のように訳します。