英文契約書翻訳のポイント16
英文契約書の基本的用語/表現 - termination, cancellation
契約を終了させる方法には、「解除」と「解約」があって、「解除」は債務不履行等があった場合に、契約当事者の一方の意思表示によって、契約の効力を遡及的に消滅させ、契約が初めから存在しなかったと同じような法律効果を生じさせることを意味し、解除により、各当事者は、未履行債務については履行の要がなく、既履行債務については原状回復の義務を負い、また、損害賠償の請求ができるとされ、「解約」は賃貸借のような継続的な契約関係において、契約当事者の一方の意思表示により、契約の効力を将来に向かって消滅させることであると説明されていますが、法令では、解約のことを解除という場合も多いようです。
英語でも、本来、契約違反がある場合の解除をtermination、契約違反によらない解約をcancellation といいますが、使い分けは必ずしも明確ではなく、両方の意味を併せて terminationが使用されるケースが圧倒的で、訳語も「解約」の意味も含めて「解除」(または文脈により「終了」)とするのが一般的です。