英文契約書翻訳のポイント9
基本的用語/表現 - shall, may
契約書は権利と義務を規定した文書ですが、その権利と義務の大部分は shall と may という助動詞で表現されますので、この助動詞の意味を正しく理解することが英文契約書の第一歩です。
まず義務ですが、義務はshallで表現されます。権利と義務とはいっても、一つの権利にはたいてい多くの義務が伴いますので、契約書に使用される単語の中で、shallは圧倒的な頻度を誇ります。訳語は、「するものとする」「しなければならない」「する」などで、shall notは禁止を表します。義務は、shallのほかにも、be obligated to, agree to, undertake to などの表現で表すことができます。
may は権利を表します。通常「することができる」と訳されます。mayには推量を表す意味もありますが、推量の用法は法律文書ではほとんど使用されません。
will も契約書で使用される場合、その法律効果はshallと同じですが、shallとwill
が不統一に使用されている場合は、意味の確認が必要です。