英文契約書翻訳のポイント2
英文契約書は長い 理由2
英文契約書は、概して長いのが一つの特徴です。なぜ長くなるのか。
②第2点として、Parole Evidence Ruleの存在があります。これは、日本語で口頭証拠の原則とよばれるもので、最終的に文書で契約を取り交わした場合に、後になって別の証拠、たとえば覚書や念書のようなものを持ち出してきても、契約書に書かれた内容と異なる内容を主張することはできないという原則です。
Parole というのは「口頭の」という意味ですが、文書も対象となります。したがって、基本的に、書いてあることがすべてということになってなんでも書かざるを得なくなり、契約書は長くなります。そして、「この契約書はすべての合意事項を記載した最終契約書である」ということを謳う規定が、いわゆるEntire Agreementです。Entire Agreementは、参考書では完全合意と訳されている場合がほとんどですが、perfectという意味ではなく、entireすなわち「すべて」という意味ですので、「合意のすべて」あるいは「最終合意書」と理解してください。